シュリンクラベルとタックラベルの違いとは
ラベルは商品情報を表示するだけでなく、ブランドイメージを伝え、製品の保護をする役割があります。ラベルには様々な種類がありますが、今回は代表的な「シュリンクラベル」と「タックラベル」の違いについて詳しく解説します。
シュリンクラベルとタックラベルの違い
シュリンクラベルとタックラベルの最も大きな違いは、その貼り付け方法にあります。シュリンクラベルは、熱を加えることで収縮する特殊なフィルムを用いて、容器の形状に密着させるラベルです。一方、タックラベルは粘着剤を用いて容器に貼り付けるラベルです。
材質と構造の比較
シュリンクラベルの材質は、主にOPS(延伸ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などが使用されます。これらの素材は、熱収縮性や透明性に優れています。タックラベルは、紙やフィルムを素材とし、その裏面に粘着剤が塗布されています。素材の種類も多様で、PET、PP(ポリプロピレン)、紙などが使用されます。
適用可能な容器形状
シュリンクラベルは、複雑な形状の容器にも密着させることができるため、ボトルやカップ、多面体容器などに対応できます。一方タックラベルは、平面や緩やかな曲面には適していますが、複雑な形状の容器には貼り付けが難しい場合があります。
コスト面での比較
初期投資と運用コスト
シュリンクラベルは、専用のシュリンクトンネルなどの設備が必要となるため、初期投資が高額になりがちです。一方、タックラベルは、ラベリングマシンは必要ですが、シュリンクトンネルのような大掛かりな設備は不要なため、初期投資は比較的安価です。運用コストに関しては、シュリンクラベルは熱エネルギーを消費するため、ランニングコストが高くなる傾向があります。タックラベルは、粘着剤のコストが主なランニングコストとなります。
耐久性と品質
耐水性、耐摩耗性の比較
シュリンクラベルは、耐水性、耐摩耗性に優れており、過酷な環境下でもラベルが剥がれたり、印刷がかすれたりする心配が少ないです。タックラベルも耐水性、耐摩耗性に優れたタイプがありますが、粘着剤を使用しているため、シュリンクラベルには劣る傾向があります。
品質維持能力の比較
シュリンクラベルの中でもフルシュリンクであれば、容器全体を覆うため、酸素や湿気の侵入を防ぎ、製品の品質を長期にわたって維持することができます。タックラベルは、シュリンクラベルほど密閉性が高くないため、保護機能が低い傾向があります。
シュリンクラベルとタックラベルのメリット・デメリット
シュリンクラベルのメリット
シュリンクラベルのメリットは、容器全体を覆うことができるため、防塵・防湿効果が高く、製品の保護性能に優れている点です。また、容器の形状に沿って密着するため、デザイン性を高めることができます。さらに、改ざん防止としても効果的です。
シュリンクラベルのデメリット
シュリンクラベルのデメリットは、熱収縮による歪みやシワが発生する可能性がある点です。また、アルコール系などの熱に弱い製品には使用できません。さらに、環境への配慮から、PVCの使用を避ける動きも出てきています。
タックラベルのメリット
包装工程でヒーターを使用しないため、熱に弱い製品にも対応でき、広く利用されています。適応できる素材が広範囲であるため、シンプルな設備ラインが構築できます。
タックラベルのデメリット
タックラベルのデメリットは、複雑な形状の容器への貼付が難しい点、シュリンクラベルと比較して耐水性や耐摩耗性が劣る場合がある点、そしてラベルが剥がれやすい場合がある点です。また、容器全体を覆うことができないため、防塵・防湿効果はシュリンクラベルに劣ります。