シュリンクラベリングシステムの構成
シュリンクラベルとは
プラスチック製のフィルムに印刷された収縮ラベルに熱をかけることで収縮する特性を利用したフィルムラベルで、商品の全体を包み込む形で装飾や情報提供を行います。
製品の表面にぴったりとフィットさせる高い密封性があり、曲面や複雑な形状のようにも対応できるため、飲料のボトル、食品のパッケージや化粧品の容器などで使用されています。
製品にシュリンクラベルを装着するまでの工程
下記の工程でシュリンクラベルを装着します。
①ラベル作成: フィルムにデザインを印刷し、シュリンクラベルを作成します。
②ラベル装着: 製品にラベルを被せます。
③加熱収縮: シュリンクラベラーに通し、熱を加えてラベルを収縮させます。
④冷却: 収縮したラベルを冷却し、製品に密着させます。
⑤完成: シュリンクラベルが装着された製品が完成します。
シュリンクラベラーの種類
シュリンクラベラーには、大きく分けてロータリー式と直線式の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ロータリー機
ロータリー式シュリンクラベラーは、回転する円盤に複数のラベル装着部を備え、高速でラベルを装着できるのが特徴です。飲料ボトルや食品容器など、大量生産ラインに適しています。
メリット
・高速稼働対応可能(~1000BPM)
・装着精度、顔合わせ精度が高い
・薄肉ラベルに対応しやすい
デメリット
・直線機に比べてマシンコストが高い
・直線機に比べてスペースを要す
ロータリー機の構造
ロータリー機の主要な構成部をご紹介します。
・ラベル供給部: ロール状のシュリンクラベルを供給する部分です。ラベルの送り出し速度や張力を調整し、安定した供給を確保します。
・ラベルカット部: ラベルを必要な長さにカットする部分です。製品のサイズに合わせてカット位置を調整します。
・ラベル装着部: カットされたラベルを製品に被せる部分です。回転する円盤に複数の装着部が取り付けられており、高速でラベルを装着できます。
・ヒーター部: 装着されたラベルを熱で収縮させる部分です。熱風や蒸気などを利用し、ラベルを製品に密着させます。
・搬送部: 製品を搬送するコンベアやスターホイールなどの機構です。製品を回転させながら搬送することで、ラベル装着、加熱、冷却を連続的に行います。
・制御盤: シュリンクラベラー全体の動作を制御する部分です。回転速度、温度、ラベルの位置などを調整し、最適な運転状態を保ちます。
ロータリー式シュリンクラベラーと直線式シュリンクラベラー
直線機
直線式シュリンクラベラーは、コンベアに沿ってラベルを装着していく方式です。ロータリー式に比べて構造がシンプルで、小規模な生産ラインや多品種少量生産に適しています。
メリット
・マシンコストが安い
・省スペースで工場内にレイアウトし易い
・型替えがロータリー機に比べて容易
デメリット
・高速稼働対応困難
低・中速機(~400BPM)
・装着精度、顔合わせ精度がロータリー機より劣る
直線機の構造
下記が直線機の主要な構成要素です。
・ラベル供給部: ロール状に巻かれたシュリンクラベルを供給する部分です。ラベルを送り出す速度や張力を調整することで、安定したラベル供給を実現します。
・ ラベル装着部: 製品にシュリンクラベルを被せる部分です。製品に合わせてラベルの位置や角度を調整し、正確に装着します。
・ヒーター部: 装着されたシュリンクラベルを熱で収縮させる部分です。熱風や蒸気、遠赤外線など、様々な加熱方式があります。
・コンベア: 製品を搬送するためのベルトコンベアです。製品を一定の速度で移動させることで、連続的なラベル装着作業を可能にします。
・制御盤: シュリンクラベラー全体の動作を制御する部分です。温度、速度、タイミングなどを調整し、最適な運転状態を維持します。
ロータリー式と直線式の比較表
特徴 | ロータリー式 | 直線式 |
処理能力 | 高速 (~1000BPM) | 低・中速 (~400BPM) |
コスト | 高い | 低い |
スペース | 広い | 狭い |
精度 | 高い | やや低い |
メンテナンス | やや複雑 | 容易 |
運用 | 大量生産 | 多品種少量生産 |
シュリンクラベル用のヒーターについて
シュリンクラベル用のヒーターにはいくつか種類がありますが、蒸気式、非蒸気式、蒸気式にも通常上記加熱方式、過熱水蒸気加熱方式、非蒸気式にも熱風加熱方式、遠赤外線加熱方式と分かれています。ここではそれぞれのヒーターのメリット・デメリットについて解説します。
蒸気式
通常蒸気加熱方式
メリット
・仕上がり品質が高い
・高い美観性
・製品への熱的ダメージが少ない
デメリット
・ボイラー、ドレン排水処理、排気設備が必要
・水分が付着残留するため、清掃など衛生面で配慮が必要
過熱水蒸気加熱方式
メリット:
・通常水蒸気より炉長が短いため、省スペース
・省エネ性
・製品への熱的ダメージが少ない
・ランニングコストが低い
デメリット
・ボイラーやドレン排水処理設備、排気設備が必要
・イニシャルコストが通常の蒸気より高い。
・通常蒸気に比べて高収縮率に向かない(ハイブリッドにすることで高収縮にも対応が可能)
非蒸気式
熱風加熱方式
メリット
・ボイラーや排気設備が不要のため、イニシャルコストが低い
・移設が容易
・衛生的
・遠赤外線に比べて、熱をあてる場所が狙える
デメリット
・調整が難しく仕上がりにやや難がある(熱旋風式にすることで、仕上がり品質が良くなります)
・製品への熱的ダメージが大きいため、比較的長い炉長が必要
遠赤外線加熱方式
メリット
・ボイラーや排気設備が不要のため、イニシャルコストが低い
・移設が容易
・衛生的
・遠赤外線に比べて、熱をあてる場所が狙える
・波長を照射するため一気に収縮でき炉長を短縮することが可能
デメリット
・調整が難しく仕上がりにやや難がある(熱旋風式にすることで、仕上がり品質が良くなります)
・製品への熱的ダメージが大きいため、比較的長い炉長が必要
シュリンクラベルのことなら日本自働精機にお任せください!
シュリンクラベル用のヒーターにはそれぞれの種類に応じたメリット・デメリットがあり、導入場所や求める仕上がり、製品種類、予算等に応じての選択が大切です。日本自働精機ではヒーターを含めたシュリンクラベラーの一貫ライン対応が可能です。お客様のニーズに沿う提案をさせていただきますので、是非一度ご相談ください。